睡眠不足が体重増につながる

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食欲の秋とはいえ、食べたい気持ちが強すぎると思う方は、もしかしたら睡眠が十分でないかもしれません。

スタンフォード大学を中心とした研究チームは、睡眠時間が少なくなると食欲を増すホルモンの分泌が増加することを報告しています。

同チームが1024人を対象に睡眠習慣と血液サンプルを分析したところ、全体の74.4パーセントにあたる睡眠時間が 8 時間未満の人では、BMI の増加は睡眠の減少に比例しました。

また、睡眠時間が5時間の人と8時間の人を比較すると、前者は食欲を抑える働きがあるレプチンが 15.5パーセント低く、強力な食欲刺激物質であるグレリンが14.9パーセント高いと予測されました。

同チームは、短い睡眠時間で見られるBMIの増加はレプチンとグレリンの変化が食欲を増すことで説明でき、慢性的な睡眠不足が一般的であり、食べ物が入手しやすい環境にあることも影響しているのではないかと結論づけています。

論文で「睡眠時間を変更することは、肥満の予防と治療に重要な補助手段であることが判明する可能性がある」と述べられているように、睡眠と代謝ホルモンの関係については、他にも科学的な研究が進められています。

ダイエットを考える際は、きちんと睡眠が取れているかどうかの確認も必要であると思います。

<参照>
■Emmanuel Mignot et al., Short Sleep Duration Is Associated with Reduced Leptin, Elevated Ghrelin, and Increased Body Mass Index, Published: December 7, 2004