1年のうちでも夏場に不調を感じる方は特に多いことから、6月21日~7月20日は夏の健康を守る運動期間となっています。
東洋医学にも1年の内で最も暑い時期を指す「三伏(さんぷく)」という言葉があります。七月下旬頃が初伏、八月上旬頃が中伏、八月中旬頃が末伏で、天だけでなく、人の陽気もこの時期に最も盛んとなります。この時期に養生することで夏場を元気に乗り切るだけでなく、冬に病気になりにくくなると言われます。今回は、数ある東洋医学の夏の健康維持対策から、ご家庭でも手軽に行えるカッサを紹介します。
カッサ療法は、皮膚の保護のために症状にあったオイルやクリームを塗り、カッサプレートで皮膚表面を刺激する方法です。解毒を促し、新陳代謝や血液循環を改善するとされます。
日本の夏は湿気が強いことに加えて、夏の楽しみでもある冷たいビールやジュース、アイスクリーム、脂っこい食べ物が湿となって体内にたまり、胃腸に負担をかけます。ですから、夏の健康は解毒が重要で、カッサで経絡を流して老廃物を取り除くのはとてもよいです。
カッサ治療では症状ごとにカッサプレートを使い分けます。例えば、血液循環をよくするにはメノウのカッサプレートとパイン(松)クリームの組み合わせがおすすめです。
メノウは成功、健康、長寿、富の象徴で、特に赤メノウは血液をイメージさせることから、生命力を高めて子宝にめぐまれるといわれます。また、松は、漢方では血液循環をよくして体をあたため、鎮痛、抗炎症、抗酸化に使われます。松エキスが含まれるパインクリームは、カッサ治療の保護材として最適です。
『HEALTH PLUS』最新号では、「カッサでデトックス」と題して記事を書いています。
カッサ療法のやり方や注意点に加えて、近年、スポーツ選手の回復力を高めるために、西洋医学でもカッサの注目度が高まっていることから、ファッシャについても触れています。
あわせてご一読いただければ幸いです。
<参照>
■邵輝、「カッサでデトックス」、『HEALTH PLUS』Vol.50 2024