18世紀フランスの美食家、ブリア=サヴァランは「サラダは気分をおだやかにし、若返りの妙薬である」と言いましたが、暑い夏はさわやかなサラダを食べたくなります。
サラダと言えば欠かせないのがレタス、と思うのは古代ローマの人々も同じだったようです。当時、生の野菜を食べるのは体によくないと考えられていましたが、レタスだけは生で食べるのが普通で、レタスに塩か魚醤をつけて食べたのがサラダの起源ともいわれています。
レタスは紀元前4500年には既に栽培されていたと言われます。食材としてだけでなく、胃腸の症状や咳止め、鎮痛に薬としても重宝されたようです。ローマ時代の医学者であるガレノスは、レタスは体のバランスを整え、歯の痛みや不眠を改善すると言います。ヨーロッパでは、今も皮膚疾患や咳の薬として使用されています。
漢方では、レタスは体の余分な熱や湿を取り、胃腸の働きを助けるために用いられます。体を冷やす性質があるため、中国では加熱して食べることが多いです。かさが減ってたくさん食べることができ、使いきれずに残ってしまうこともありません。ビタミンCを摂り、シャキシャキ感を残すために、さっと加熱するのがポイントです。
夏の健康を守るのにおすすめのレタスをぜひいろいろな料理に使ってみてください。
<参照>
■ジュディス・ウェインラウブ (著) 田口未和 (翻訳)、『サラダの歴史』、原書房
■森昭彦、『身近な野菜の奇妙な話』、 SBクリエイティブ