不妊治療において、グレードの高い受精卵が取れたのに着床しない場合、子宮内膜が薄いからといわれることがあります。ですから、多くの方が子宮内膜は厚ければ厚いほどよいと考えておられますが、実際は厚すぎてもよくありません。
子宮内膜増殖症は子宮内膜が増殖して必要以上に分厚くなる病気で、炎症性内分泌疾患または特定の薬剤の刺激下で発生することが考えられます。月経不順、性器出血、月経困難症などの症状を引き起こす恐れがあり、月経過多による貧血や子宮内膜がんを引き起こすことすらあります。
子宮内の症状として子宮内癒着も注意が必要です。子宮内癒着の主な症状は稀発月経、不妊症、周期性腹痛などがあります。
子宮内癒着の主な原因は3つあります。第一に、人工妊娠中絶や子宮筋腫切除術などを行ったときの子宮内膜への外傷です。第二に細菌またはウイルスによる子宮内膜感染症です。特に再感染があると炎症が激しくなります。第三にエストロゲンレベルが低いことです。エストロゲンレベルが低いと子宮内膜が薄くなるので損傷や感染が起こりやすくなります。
月経不順や痛みはよくあることと見過ごしてしまわず、不快な症状があるときは医療機関を受診して原因を明らかにすることをお勧めします。