多嚢胞性卵巣症候群へのアプローチ


Photo by Shadia

多嚢胞性卵巣症候群はたくさんの小さい卵胞が卵巣内にとどまってしまう病気です。診断条件の中に月経不順とホルモン値のアンバランスがあることから、西洋医学での治療では月経周期とホルモン値の調整に主に焦点が当てられます。

東洋医学では肝臓の滞り、脾臓と腎臓の虚、痰湿、瘀血などが多嚢胞性卵巣症候群を引き起こしていると考えますので、脾臓を強くして湿を取り除き、肝臓を落ち着かせて気を調整し、血液循環を活性化して滞りを取り除くなどの治療を行います。

多嚢胞性症候群で肥満を伴う場合は、減量を含めた生活習慣の改善が必要です。漢方薬では、糖の吸収を抑制する桑の葉がよく用いられます。

栄養的には不足しがちな5つのビタミンを意識しましょう。

第一にミオイノシトールです。これはビタミンB類似物質で、体内の糖代謝を調整します。全粒穀物や豆、オレンジ、みかんの皮などに多く含まれます。

第二にビタミンDです。ビタミンD不足は、よく言われる骨粗鬆症や筋力低下以外にも、糖尿病や高血圧、肝臓不全など体全体の様々な不具合と関係しています。ビタミンDを補う食材を使い、日光に当たる時間を増やしましょう。

そしてビタミンB 6、B 9、B 12です。ビタミンB 9は葉酸です。これらは代謝を促進する酵素を助け、糖尿病治療薬であるメトホルミンの副作用を軽減します。

体の陽の気を養い、湿気を取り除くために、温灸もおすすめです。

東洋医学と西洋医学のそれぞれの特徴をうまく併用して、治療に役立ててください。