米国人男性の精子の質が低下しているとの研究報告


Illustrated by naota

2021年のアメリカ生殖医学会(ASRM)で、マウントサイナイ医科大学のチェルシー・キャノン先生が、米国人の精子の質が大幅に低下していることを発表しましたのでご紹介します。

今回の研究では、カリフォルニア州、インディアナ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク、テキサス州、ワシントン州などに住む19〜38歳の男性とデンマークに拠点を置く精子バンクから提供された17万6706件のサンプルが調査されました。

「射精量」「精子の平均濃度」「運動性(正常に泳ぎ回ることができる能力)」「運動精子の総数」の指標のうち、射精量以外の全てにおいて大幅に低下しており、16年にわたる調査期間を通じて低下傾向にあることがわかりました。

2017年の西側諸国の男性の精子数が1973年から2011年で50%以上減少したという報告は世界中で波紋を投げかけましたが、今回の報告も大きな注目を浴びています。

精子の質を低下させる原因について、研究チームは明言を避けていますが、別の研究で、環境と生活習慣との関連を示唆しています。
不妊治療に限りませんが、やはり病気や症状は病院に行くだけでは治すことができず、毎日の生活と不可分であることを改めて思います。

<参照>
■エド・ブラウン、「アメリカ人男性の精子の質が低下している」、Newsweek、2021年10月26日