Photo by Nick Fewings
妊娠中の女性が口にするものは赤ちゃんの健康に影響しますが、赤ちゃんの味覚にも働きかける可能性が検討されています。
英国のダラム大学とアストン大学、フランスのブルゴーニュ大学による研究チームは、母親が食べた食品に対する胎児の反応を調べるために、100人の妊婦さんにニンジンまたはケールの粉末が入ったカプセルを飲んでもらい、20分後に4Dエコーを行いました。
すると、糖分が多いので甘く感じられるニンジンにさらされた胎児はより多くの「笑い顔」の反応を示し、苦味が強いケールにさらされた胎児はより多くの「泣き顔」の反応を示しました。
Credit: FETAP (Fetal Taste Preferences) Study, Fetal and Neonatal Research Lab, Durham University.
Credit: FETAP (Fetal Taste Preferences) Study, Fetal and Neonatal Research Lab, Durham University.
生まれる前なのに、こんなに表情がゆたかなことに驚きます。
とてもかわいいです!
アストン大学のジャッキー・ブリセット教授は、おなかの中で苦手な味に慣れれば、生まれてからの食べ物の好き嫌いも減らせるのではないかと期待しています。
そして、胎児が徐々に好きではない味に否定的な反応を示すことが少なくなり、生まれた後に赤ちゃんがその味をどれくらい受け入れられるかを調べることを次の課題としています。
子どもが嫌いな野菜の代名詞のように言われるニンジンですが、本当はおなかの赤ちゃんも笑顔になる甘さなのです。
これを機にニンジンのおいしさが再認識されるといいなと思います。
<参照>
■DURHAM UNIVERSITY, First direct evidence that babies react to taste and smell in the womb, EurekAlert!, 21-SEP-2022