運気論 癸卯(みずのと・う)


Illustrated by 吉原世

東洋医学には、五運(木・火・土・金・水)と、六気(風・火・暑・湿・燥・寒)の組み合わせで、気象と病気を予測する運気論という考え方があります。
古書『黄帝内経』には既にその考え方が書かれていますが、宋代から広く用いられるようになりました。

2023年は癸卯(みずのと・う)で、「陽明燥金司天」「少陰君火在泉」「火運不及」です。

前半は金の気が支配するので乾燥しがちである一方、後半は火の気が支配するのであたたかくなる見込みですが、癸の年は五運の火運不及、すなわち「五行の水が火を抑え込むために火が働かない年」になります。

大寒を過ぎた亥(1月29日)から「初の気」となります。主気は厥陰風木、客気は太陰湿土です。

陰の気が旺盛になり気が滞りやすくなるのに加えて、水は凍り、冷たい雨が降るため、体に余分な水がたまります。

そのため、顔がむくんだり、疲れが取れなかったり、鼻水が出やすくなります。花粉症の方は鼻水に悩まされることになりそうです。

養生のポイントは利水です。
こまめに体を動かし、タンポポなど利水を助けるものを上手に使いましょう。