二人目の壁


Illustrated by うさぎや

厚生労働省の人口動態統計によると、2021年の合計特殊出生率は1.30でした。
これはひとりの女性が生涯に産む子供の数を表しており、6年連続で低下しています。

公益財団法人 1 more Baby応援団が公表している「夫婦の出産意識調査 2022」によると、その理由もわかるような気がします。

同調査によると、「2⼈⽬の壁」を感じる方の割合が75.8% で、2014年以降、最も高いです。
また、「今後出産する/したいと思う」方もコロナ禍以降減少し、10年間で最低値とのことです。

その理由として最も多いのは「経済的不安」です。
これに対して、不妊治療が保険適用となるなど緩和の方向へ進んでいる一方で、懸念されるのは「⼼理的な理由」が増加傾向にあることです。

現在、妊活中の方は、子どもを産もうと心を決められていますが、そこに至るまでにおおきなためらいがあることは、時間との戦いである妊活を行う上でも好ましくありません。

核家族化が進んでいることに加えて、晩婚化からご両親に育児を助けてもらおうと思っても、ご両親が高齢でそれもままならないことが増えています。
新型コロナウイルスの影響もあり、孤立しがちな子育て家庭をどう周囲がサポートするかが問われています。

何か特別なことをする必要はありません。

電車の中でグズりだした小さなお子さんを連れた方に「うるさいな、静かにさせろ」と言わんばかりににらみつけるのではなく、「大丈夫、気にしていません」とニッコリ微笑むだけで、その方はどれだけ気が楽かしれません。

1 more Baby 応援団の秋⼭開さんは「⼦育てしやすい社会は、誰もが暮らしやすい社会であるとの認識の下、政府や⾃治体、企業、地域におけるさらなる取り組みが必要であると考えます」と言われていますが、共感します。

<参照>
夫婦の出産意識調査 2022、公益財団法⼈ 1more Baby 応援団、2022年6月2日