ChatGPTの台頭


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最近、ニュースでよく聞く言葉にChatGPTがあります。

これは文章を作るAIです。
そう聞くとチャットボットが思い浮かびますが、いまひとつ聞いていることに答えてもらっていない気がするチャットボットとは違って、その文章能力は英ガーディアン紙が「『驚くほど詳細』でまるで『人間のような』回答を生成することができる」と報じるレベルです。

知識レベルも申し分なく、ペンシルバニア大学がMBAの期末テストをChatGPTに出題したところ、「優」で合格し、マサチューセッツ総合病院がChatGPTに米国の医師資格試験を解かせたところ、強化学習を行わずとも合格ラインに近い正答率を示したことは大きく報じられました。

今後のメガトレンドの一つとされるAIですが、ChatGPTがこれほど注目を集めているのは、検索方法が大きく変わる可能性があるからです。

現在は検索エンジンで用語を検索すると、関連度が高いサイトが並びます。
ただ、広告サイトが上位に表示されたり、主張が偏っているサイトもあるので、複数の記事を読んで比較し、適度なところを自分で線引きする必要があり、結構、時間がかかります。

それをChatGPTは膨大なデータを元にAIが抽出するので比較的中立的な意見で、ほどよく、無料でまとめてくれるというのですから、使わない理由がありません。

既に学校のレポートや小説など、大量のChatGPTによる文章が生成されています。

かつて、調べ物をするときは新聞や本を読み、詳しい人に聞いていたのが、インターネットが登場してからはクリック一つで概要がわかるようになったのと同じくらいのインパクトです。

ChatGPTは文章生成AIですが、画像生成やゲームAIも続々と開発されています。

医学学習支援やオンライン診療に活用するなど、医療においてもAIは今後、無視できないものになっていくと思われます。ですからなおのこと、過剰反応して拒絶したり、AIに飲み込まれるのではなく、AIを自分なりに使いこなして、AIでは置き換えられないサービスを提供することが大切になります。

登場した当初は戸惑い気味の方も多かったネット販売やバーコード支払い、SNSによる患者さんとのコミュニケーションも、今では当たり前のことになっています。患者さんと医療提供者の双方にプラスになる方向で新しい技術が活用されることを希望します。

<参照>
■小路浩史、ChatGPTが米医師資格試験で合格ライン 医学学習支援に活用できる可能性も、Medical Tribune、2023年02月17日