昨年の夏、欧州では6万1000人が暑さのため死亡した可能性があると報じられましたが、猛暑は腎臓や呼吸器、循環器、精神疾患など、さまざまな面で健康に影響を与えることが報告されています。
高齢者の方は暑さ対策に気を配られている方が多いですが、実は若年層にも暑さは高リスクであることがボストン大学公衆衛生大学院の研究で明らかになりました。
研究チームは2010年5月から2019年9月までの18 歳以上の7,420万人のデータを分析し、猛暑日が続くと、救急外来受診を含めて熱関連疾患、腎疾患、精神障害のリスクが高まり、猛暑による健康への悪影響は高齢者だけでなく、若年者と中年者でも重大なリスクとなると結論づけています。
猛暑対策は、個人差に加えて、最高気温が 35°Cになる日は、ある地域ではほとんどなくても、別の地域ではよくあるという地域差もあり、対応策を一概に示すのは難しいところがあります。
ただ、若い方は「自分には関係ない」と過信して、暑さ対策を取らない傾向があると考えられます。
今後、猛暑日が増加すると予測されています。過信せず、自分の健康は自分で守ることがますます重要になってくると思います。
<参照>
■Shengzhi Sun et al., Ambient heat and risks of emergency department visits among adults in the United States: time stratified case crossover study, BMJ 2021; 375 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2021-065653 (Published 25 November 2021), Cite this as: BMJ 2021;375:e065653