米国のトップ病院で実践される産前産後の鍼ケア


Illustrated by La_Petite_Femme

米国オハイオ州にあるユニバーシティ・ホスピタルは、対象の4500以上の病院のうち1割ほどしか選ばれないUSニューズ&ワールド・レポートの全米ベストホスピタルに25年間連続で選出されています。

同病院には鍼やカイロプラクティック、マッサージ、瞑想、ヨガなどを行う統合医療科があり、不妊治療を含む産前産後のケアに鍼治療を行っているニュースがありましたので紹介します。

順調に第1子を出産後、2回の後期流産を経験したある女性は、再び妊娠したときに、医師を含む統合療法チームのサポートを受けました。彼女は無事に女の子を出産し、「鍼治療後、よく眠れるようになり、消化器系の調子が良くなり、ストレスや不安が軽減された」と語っています。

リプロダクティブ・ウェルビーイングを統括するクリスティーン・カイザーさんは、鍼治療が血流を改善して生殖器官がよりよく機能できるようになると言います。そして、「私の患者のほとんどは鍼治療中に眠ってしまい、治療後はとても幸せでリラックスしています」と、そのリラックス効果にも言及しています。

同チームは、母乳育児やストレスによる睡眠の問題、帝王切開後のケアにも鍼治療を使用しているとのことです。

鍼治療は東洋のものというイメージがありますが、米国だけでなく、フランスやドイツ、英国でも妊婦さんのケアに鍼が使われ、一部、医療保険も使うことができます。

医師やさまざまな専門家と連携しながら統合医療をおこなう体制は、患者さんにとってメリットが大きいことを示すよい事例であると思います。

<参照>
■Jen Picciano, UH Connor Whole Health using acupuncture to improve pregnancy success, 19 NEWS, Mar. 28, 2024