五月病予防に葉酸

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ゴールデンウィークのあとは、新生活の緊張の糸がゆるんでなかなか日常に戻ることができなかったり、遊びすぎて疲労が抜けないため、やる気が出ないことが多くなります。連日のご馳走で胃腸が疲れ、店舗や電車内で入り始めたクーラーに影響される時期でもあります。

体調不良や疲労感から気持ちがふさぎがちになる前に、誰でも今日からできることは、葉酸が多く含まれるブロッコリーやホウレンソウなどの緑黄色野菜を中心とした軽めの食事を取って、早めに寝ることです。

数々の研究でビタミン不足がうつ病のリスクを高めることが指摘されています。特に、現代の食生活では葉酸が不足しがちです。

日本人の血清葉酸値とうつ症状との関連について調べた研究では、21歳から67歳の530人のうち、約36%に抑うつ症状がみられ、男性は血清葉酸値が高いほどうつ症状の有病率が低下していたことから「低血清葉酸は、日本人男性における抑うつ症状の有病率の増加と関連している可能性がある」と結論付けています。

この研究では、女性は関連が見られませんでしたが、別の研究では、127人のうつ病患者を抗うつ薬と葉酸を使って治療したグループと、抗うつ薬とプラセボで治療したグループに分けて10週間観察したところ、前者の方が後者より症状が有意に改善し、特に女性において治療効果が明らかだったことが報告されています。

体の調子を整えることで気持ちの落ち込みが改善することは結構あります。
これから湿気の多い梅雨を経て、暑い夏がやってきます。今の間に体を立て直しておきましょう。

<参照>
■A Nanri et al., Serum folate and homocysteine and depressive symptoms among Japanese men and women, Eur J Clin Nutr. 2010 Mar;64(3):289-96. doi: 10.1038/ejcn.2009.143. Epub 2010 Jan 20. PMID: 20087384 DOI: 10.1038/ejcn.2009.143
■A Coppen et al., Enhancement of the antidepressant action of fluoxetine by folic acid: a randomised, placebo controlled trial, J Affect Disord. 2000 Nov;60(2):121-30. doi: 10.1016/s0165-0327(00)00153-1.