諸葛孔明の名を持つ野菜

Photo by gitusik

春の七草のひとつでもあるカブ(スズナ)は、今が食べ頃です。

古今東西を問わず食べられてきたカブは育てやすく、痩せた土地でも収穫が可能です。どれくらい育てるのに手間がかからないかというと、三国志の有名な軍師である諸葛孔明が行軍の途中に兵士の食料用に作らせるほどで、ここからカブは諸葛菜とも呼ばれます。

カブはできれば葉がついているものを選び、葉も根も両方食べてください。保存の際に大切なのは、カブを買ってきたらすぐに葉を根から切り落とし、根と葉に分けることです。カブの葉にはカルシウムや葉酸、鉄が含まれるので、妊活中の方にもおすすめです。

調理法も調味料も選ばずおいしくいただけるカブは、薬としても用いられてきました。

ビタミンCが多く含まれるので、英国や米国では、すりおろしたカブにハチミツを加えたものが風邪薬として使われていました。

中国では、消化促進や化膿した腫れ物に用いられます。カブの花と種も薬用とされ、どちらも目の病気に用いられます。

現代では野菜として食されることがほとんどなので、これらの知識は無用の長物かもしれませんが、今と違って医療になかなかアクセスできなかった頃は、とても大切な知識であったことと思います。
昔の人たちの、一見何でもないことの中に、たくさんの特別なことを見つけることができる才能は、本当に素晴らしいと思います。

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