「医療マンガ大賞」 視点の違いを可視化する

 


Illustrated by kotone

同じ事柄の当事者であっても、親と子、先生と生徒など立場によって物の見方は大きく違い、それをうまく伝えることができずにもめてしまうことが往々にしてあります。医療現場では特にそういうことが起こりやすく、状況の深刻さ、時間のなさから問題がこじれがちです。

医療に対する患者と医療従事者の視点の違いを可視化することを目的に、横浜市は「医療マンガ大賞」というイベントを行っています。第2回は「人生の最終段階」「コミュニケーションの難しさ」他がテーマになっており、受賞作品はインターネットで公開されています。

受賞作品から、患者さんの気持ちを置いてけぼりにしないことが大切だと改めて思いました。こちらがどれだけ情報を発信しても、患者さんが納得しなければすれ違い、お互いに不満が募るばかりです。トラブルのもとは患者視点と医療従事者視点のほんの少しのボタンの掛け違いです。これから医療が高度になればなるほど、正確に情報を伝え、気持ちに寄り添う医療従事者が必要になります。相手の気持ちに届くところまでていねいに情報を発信しなければ、結局行動には結びつかないという横浜市の意図が伝わります。その気づきの一歩を言葉だけでは伝わりにくいものが伝えられるマンガというメディアでつなぐ取り組みは画期的だと思います。

<参照>
■横浜市医療局、医療マンガ大賞

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