菊の節句


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今日、9月9日の重陽の節句は、菊の節句と呼ばれるほど菊との関連が深いです。

菊は観賞や食材として使われますが、漢方としても有用で、よく知られているものに杞菊地黄丸や桑菊飲があります。

杞菊地黄丸は目の不調を改善したいときによく用いられます。
菊には目をきれいにする働きがあり、ドライアイや疲れ目、目の充血によいとされます。

桑菊飲は感染症に使われます。
刺身には食中毒予防として菊の花が添えられるように、菊には抗菌作用があります。
消炎作用もあり、のどの痛みにも使われます。

重陽の節句には菊酒が振る舞われますが、ふだん使いとしては菊茶がおすすめです。
菊の花びらや乾燥させた菊花をお茶にしますが、菊花だけだと味がもの足りないという方は、他の茶葉とブレンドしたらおいしくいただけます。
どのお茶でも合いますが、菊花は苦味があるので緑茶やウーロン茶との相性がよいです。

古くはおひな様をこの頃に虫干ししたことから「大人のひな祭り」とも呼ばれる重陽の節句は、女性の健康や長寿を願う日でもあります。
明治時代に旧暦から新暦になったことをうけて、まだまだ続く暑さと季節感が合わないことから廃れてしまった感は否めませんが、夏の暑さで疲れた体を労る一日としていただけたらと思います。

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