止血と解毒にレンコン


Photo by Mr.gejigeji

野菜コーナーでレンコンがお買い得な時期になりました。
今は一年中買うことができますが、秋から旬を迎えます。

レンコンに咳止め効果があることはよく知られていますが、レンコンは花も葉も実も薬用効果のある有用な植物です。

ハスの節の部分は止血の働きが強いので、月経量が多い方や不正出血がある方によいです。

スーパーでは切り落とされていることが多いですが、八百屋さんや産地直売所では節がつながっているものが売られています。
そのままで食べにくいときには、スープのだしとして食べるとよいです。

荷葉と呼ばれるハスの葉は利尿を促し、解毒を助けます。

中国ではハスの葉でもち米や具材を包んで蒸す料理が人気ですが、『本朝食鑑』にも「荷葉飯(はすのはめし)」として「新しい荷葉(はすのは)に飯を包み、蒸熟(よくむ)して食べるもので、腹中を寛(くつろ)げ、脾胃を強くし、三焦の働きをよくし、生発の気を資(たす)ける」「五臓を補い気血を益し、百病を治す」との記載があります。


Hiraike-park (平池公園 大賀ハス)兵庫県加東市東古瀬 Photo by 松岡明芳

ハスの種はなかなか発芽しないので、種をヤスリで削って発芽しやすくすることもあるようですが、2000年前のハスの種が花を咲かせた大賀ハスの例もあります。
種は、芽を出す時期になれば芽を出し、花を咲かせます。
とかく早く「結果」を出すことを求められる昨今、大賀ハスには花を咲かせるために2000年以上の時が必要だったと思えば、とても深みのある話ではないでしょうか。

YouTubeでは「秋の健康を支えるレンコン」を公開しています。
ぜひこちらもご覧ください。

<参照>
■人見必大、『本朝食鑑 1(東洋文庫 296)』、平凡社