妊婦さんへの新型コロナ治療薬投与は禁忌


Photo by 月舟

感染症の流行期を迎え、インフルエンザが11月上旬に全国で流行期に入ってから感染者数は7週連続で増加しており、妊婦さんが感染すると流産につながるおそれもあるリンゴ病も関東を中心に流行しています。

新型コロナウイルスの感染者数も増加傾向にありますが、コロナにも慣れが見られるようになったのか、電車内では咳をしながらもマスクを着用しておられない方が目立つように思います。

1年ほど前に「新型コロナ経口薬・ゾコーバの女性による使用は慎重に(2023/1/28)」という記事をアップしましたが、依然として同様の報告の減少が見られないことから、医薬品医療機器総合機構は12月17日、「医薬品適正使用のお願いNo.16」において、COVID-19治療薬は妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌であること、そして妊娠する可能性がある女性には慎重に投与を検討することを注意喚起しました。

新型コロナウイルス感染症治療薬のゾコーバ錠及びラゲブリオカプセルの投与に際しての注意事項を上記資料より引用します。

妊娠する可能性のある女性への投与に際しては、本剤投与の必要性を十
分に検討すること。また、投与が必要な場合には、次の注意事項に留意す
ること。

⚫本剤投与開始前に十分な問診により患者が妊娠していないこと及び妊
娠している可能性がないことを確認すること。

⚫次の事項について、本剤投与開始前に患者に説明すること。
•妊娠中に本剤を服用した場合、胎児に影響を及ぼす可能性があること。
•本剤服用中に妊娠が判明した又は疑われる場合は、直ちに服用を中
止すること。
•本剤服用中及び最終服用後2週間(ゾコーバ錠)又は4日間(ラゲブリオ
カプセル)における妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに医
師、薬剤師等に相談すること。

相談薬局では子宝相談をされている先生が多いので、患者さんから相談されることも、こちらから注意喚起することも多いと思います。ぜひ、スタッフの方々も含めて、今一度ご確認頂ければと思います。

<参照>
■(独)医薬品医療機器総合機構、PMDAからの医薬品適正使用のお願いNo.16 2024年12月「新型コロナウイルス感染症治療薬(ゾコーバ錠及びラゲブリオカプセル)の妊娠する可能性のある女性への投与について
冬到来、増える感染症インフルエンザや新型コロナ―識者「感染対策を」、時事通信 社会部2024年12月