新型コロナ経口薬・ゾコーバの女性による使用は慎重に


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2022年11月22日にCOVID-19の経口抗ウイルス薬として緊急承認されたエンシトレルビルフマル酸(商品名ゾコーバ)投与後に、女性2例で妊娠が判明したことが報告されました。

ゾコーバは動物実験でウサギの胎児に催奇形性が認められたことから、妊婦または妊娠の可能性のある女性には投与禁忌となっています。
投与前に文書による同意を得る必要がありますが、今回は患者さんに妊娠可能性の自覚がなかったため投与に至ったということでした。

現在、ゾコーバは一般流通はなく、厚生労働省から医療機関や薬局に配分されており、厚生労働省からの改めての周知に加えて、製造販売元である塩野義製薬は同意説明文書と同意書の妊娠可能性の確認事項を追記するとのことですが、12歳以上の重症化リスク因子がない軽症~中等症Iのコロナ患者が投与対象のため、今後の状況次第では使用が急増することが考えられます。

添付文書には、「妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること」「授乳婦は授乳しないことが望ましい」ことも記載されています。

妊娠初期は妊娠検査で陰性を示したり、兆候に気づかないこともあるので、女性がゾコーバを使用する際は重ねての注意が必要です。

<参照>
■厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部、新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(ゾコーバ錠 125mg)の医療機関及び薬局への配分について、2022年11月22日
■小沼紀子、ゾコーバ投与後2例で妊娠判明、入念な確認を 厚労省が事務連絡で周知、Medical Tribune、2023年1月23日