東洋医学の診断方法のひとつに「聞診」があります。
これには「音を聞く」「においをかぐ」という二つの意味があります。
香りは東洋医学で重要な位置を占めており、香りを使ってこころを安定させ、邪気を払って養生に役立ててきました。
体が暑さに慣れていないのに、夏日を迎えたかと思うと雨で気温が下がり、という時期は、気持ちも浮き沈みが大きくなりがちです。
ヨモギの香りはイライラを静め、気持ちを落ち着かせてくれます。
やわらかい新芽が旬を迎えているヨモギは飲む、食べる、入浴する、つけるなどいろいろな方法で使われますが、やはりその香りが特徴です。
ヨモギ茶やヨモギ料理でもヨモギの香りは楽しめますが、最大限に活用するならやはりお灸、特に温灸が適しています。
お灸はツボに直接、ヨモギの精油成分を届けることができます。
温灸は体をじっくり温めるので、ゆっくりとヨモギの香りを楽しむことができます。
ヨモギと相性がよいのが松節です。
松節も香りがよく、漢方では鎮痛、抗炎症、関節の痛みに使われます。
邵氏温灸器のモグサはヨモギと松節を配合していますので、両方のいいとこ取りができます。陽の力があるので気持ちが落ち込んでいる方や冷え性の方にもおすすめです。
暑くなると冷たいものの取り過ぎでおなかの不調を訴える方が増えますが、料理に胃腸を元気にするシナモンやチョウジ、八角、小茴香などの香辛料を使うのも、香りを活用するひとつの手です。