鳥取県農林水産部が茯苓の栽培技術を確立


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キノコが旬を迎えています。
スーパーではキノココーナーが特設され、「10月15日はきのこの日!」のポップがディスプレイされていました。

キノコは低カロリーで食物繊維も多く、ビタミンやミネラルも含まれています。手頃な価格で買えるのもうれしいです。

キノコ由来の生薬として有名なのは茯苓(ぶくりょう)です。

中国最古の薬物書とされる『神農本草経』にも不老長生薬として記載があり、利尿や鎮静の働きで桂枝茯苓丸、八味地黄丸、当帰芍薬散、六君子湯、十全大補湯など漢方処方には欠かせないものです。

茯苓はマツなどの根に寄生する菌核を乾燥させたものです。
トリュフのように地中で育つので、昔は棒でマツの根元近くを突き刺して、感覚と経験で見つけていましたが、今は流通するほとんどが中国で栽培されているものです。

茯苓の栽培は日本でも試みられてきましたが、充分に菌核が育たないため、日本で使用される茯苓はほぼ全てが中国産です。

そんな中、鳥取県農林水産部が薬用キノコの栽培実用化に向けた研究事業に取組み、国内初の茯苓の栽培技術を確立したという画期的な報告を行いました。

薬局方の基準をクリアし、生薬成分を市販品と同等に含有していることが確認されています。

さらに、室内栽培のため、労務が軽減され老若男女が携わることができることや、シロアリ等の殺虫剤が不要という利点があります。

昨今の薬不足の状況は、生薬も例外ではありません。
調達先の多様化のために重要な取り組みであると思います。

<参照>
■鳥取県におけるブクリョウの推進について