【運気論】終の気の養生法


Illustrated by ket4up

東洋医学には、五運(木・火・土・金・水)と、六気(風・火・暑・湿・燥・寒)の組み合わせで、気象と病気を予測する運気論という考え方があります。

小雪から大寒にかけての約60日間は終の気にあたります。宋代の医書『聖済総録』にはこう書かれています。

主気は太陽寒水の寒気であり、客気は少陰君火の火気であり、五運は火である。火と火が重なり、陽気が支配し、気候は寒いはずなのに温かくなり、虫が再び見られ、流水は凍らず、民は健康であるがその病は温病である。

病では温病、つまり感染性発熱疾患に注意が必要です。

実際、中国では呼吸器疾患が急増しており、子どもたちの間では特にマイコプラズマ肺炎が流行しています。治療には抗菌薬が用いられますが、耐性菌が治療を困難にしています。

そこで中国政府は中医学による対応も視野に入れる形で専門家による情報提供を行っています。その中で、「熱」を取り除き、咳やのどの痛みを和らげるために背中へのカッサ療法と吸玉療法がひとつの提案としてなされたとの報道がありました。

日本でも12月6日現在、45都道府県でインフルエンザが警報レベルを超えています。

手洗いとうがいを行う、患者との濃厚接触を避ける、免疫力を落とさないなど小さな積み重ねが予防になります。

このブログを読んでくださっている方々は自分で自分の健康を守る大切さと方法をご存じのことと思います。お互い、健康には十分気をつけて年末年始を乗り切りましょう。

<参照>
■Phoebe Sedgman, China Wants Traditional Medicine to Quell Its Pneumonia Wave, Bloomberg, 2023/12/4
インフルエンザ流行レベルマップ 第48週(12/8更新)