【BOOK】『食べて治す医学大事典』


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食材の薬効をまとめた書籍にはたいていタンポポの記載があるので、なにげに索引でタンポポを引いてみたのですが、16箇所にも記載がありました!
生薬名の「蒲公英」や「タンポポの根」「タンポポ酒」に加えて、特に「タンポポエキス」の言葉に目が止まりました。なぜなら、私はタンポポ葉から抽出したT-1成分を長年研究しており、T-1成分を「タンポポエキス」と呼んで愛用してくださる方々がたくさんおられるからです。

『食べて治す医学大事典』は「のぼせる」「声がれ」といった体調不良や気管支炎などの病気、女性・子ども・高齢者の病気から食べ物を探すことができます。タンポポについては寝汗、胸やけ、胃もたれ、冷え性、むくみ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、子宮筋腫、母乳不足の項目に記載があります。

タンポポの健胃や利尿の働きはよく知られていますが、抗菌作用や抗ウイルス作用、毛細血管拡張作用なども研究で確認されており、研究すればするほど魅力が深まる素材です。昔から洋の東西を問わずさまざまな症状に使われますが、この本のような形でまとまっていると「そんな使い方もできるのか」と新しい発見をされる方もおられるのではないでしょうか。


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他の食材に関する記述も充実しており、用途から検索するのもよいですが、普通に本として読んでもおもしろいです。日常のちょっとした困りごとに食材から改善を試みるという養生の実践には、4センチもの厚さで片手では持っていられないほど重いですが、使いやすい一冊だと思います。

<参照>
■根本幸夫 (監修)・山ノ内愼一 (監修)・中村丁次 (監修)、『最新 食べて治す医学大事典』、主婦と生活社

最新 食べて治す医学大事典