秋は夏の暑さによる疲れや寒暖差で免疫力が下がり、さまざまなトラブルが起こりやくなります。最近、排尿時に痛みがある、残尿感があるという話をよく聞きますが、病院で検査を受けることを前提に、ご自身でできる養生としてタンポポをおすすめします。
尿路感染症のほとんどは細菌の繁殖によって起こります。細菌の侵入をシャットアウトすることはできませんが、体の抵抗力が強ければ問題ありません。
しかし、体が弱っていると細菌の繁殖による炎症でトラブルを引き起こしていまいます。膀胱炎の予防のために水を飲みましょうとよく言われますが、これは尿によって細菌が繁殖する前に排出されるからです。
古今東西、タンポポの葉は伝統的に利尿剤として使われ、体内の余分な水分を排出するのに役立ってきました。秋になって水分の摂取量が減っている方は、利尿作用のあるタンポポ葉の力が助けになります。
タンポポ葉の抗菌作用も尿路感染症予防にプラスに働きます。
チリのフェデリコ サンタ マリア大学の研究チームは、女性の再発性尿路感染症に対する抗生物質の使用には投与期間と投与量、細菌の耐性獲得という限界があるため、抗菌作用を持つ天然物質を特定することを目的としてタンポポ葉抽出物の特性を調査し、タンポポの葉が尿路病原性臨床細菌に対して抗菌活性を示すことを報告しています。
過ごしやすくなったとはいえ、暑さを感じたり急に冷え込んだりと不安定な時期でもあります。
どうぞお体にお気をつけて、楽しい秋をお過ごしください。
<参照>
■Katy Díaz et al., Isolation and Identification of Compounds from Bioactive Extracts of Taraxacum officinale Weber ex F. H. Wigg. (Dandelion) as a Potential Source of Antibacterial Agents, Evid Based Complement Alternat Med. 2018; 2018: 2706417. Published online 2018 Jan 1. doi: 10.1155/2018/2706417 PMCID: PMC5817818 PMID: 29507587