腎臓を守るポイント

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毎年3月の第二木曜日は世界腎臓デーです。

腎臓には体内の水分量と電解質の調整やホルモンを出す内分泌器官としての働きがありますが、体内の老廃物をろ過して、尿として排泄する働きは、東洋医学で重視されている「解毒」において、とても大切な役割を担っています。

日本では成人人口の約11%が該当し、「新たな国民病」とも言われている慢性腎臓病という考え方が最近、注目されています。腎臓の機能低下が循環器の症状を悪化させる事が指摘されたため、何らかの腎障害が3カ月以上続く場合に慢性腎臓病と診断されます。

慢性腎臓病と診断されたら、主に生活習慣の改善、食事療法、薬物療法によって病気の悪化を遅らせることが重要です。

食事療法においては水分を十分にとり、利尿作用のある食材を使います。私のおすすめは、フランスで「おねしょのハーブ」の異名を持つタンポポです。欧米では冬の保存食で体にたまった毒を排出する解毒剤として春先には欠かせない存在です。

また、私は研究でタンポポの葉から抽出したT-1という物質が毛細血管を拡張し、血流循環を改善することを確認しています。これは血流量が臓器の中で最も多く、毛細血管の塊ともいえる腎臓の働きを大いに助けます。

腎臓病は初期から中期にかけては自覚症状がなく、症状があらわれる頃には腎臓機能が大きく低下しているという特徴があります。ふだんから解毒の習慣を意識し、早期発見のために定期的に健康診断を受診することが腎臓の養生のポイントです。