腰痛と尿失禁の予防に温灸

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筑波大学の研究チームが、平均43.4歳の女性2503人における尿失禁有病率は25.5%だったと報告しました。

今回の調査で気にかかるのが、腰痛が尿失禁と相関していることです。気温が急に下がったことで腰に違和感や痛みが出ている方が増えており、尿失禁の症状にも少なからず影響を及ぼすと考えられます。

腰痛と尿失禁の予防と症状緩和には次髎(じりょう)と腎兪(じんゆ)への温灸がおすすめです。
温灸がお手元になければ、カイロを貼るなどこの部分をあたためてあげるのがよいです。

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一般に尿失禁は高齢者に多いものと思われていますが、日本泌尿器科学会が「40歳以上の女性の4割以上が経験している」と言うように、年齢に関係なく起こります。

今回の調査でも有病率が20歳代が10.0%、30歳代が16.0%、40歳代が26.4%、50歳代が32.2%と、加齢とともに有病率の上昇が見られるものの、20代でも10人にひとり、40代では4人にひとりが経験していることが報告されています。

故に、研究チームは「成人初期から尿失禁への認識を広め、高リスク集団に対する予防戦略を構築することが求められる」と結論づけています。

温灸は有効なセルフケアのひとつです。ぜひお試しください。

<参照>
■Aki Onishi et al., Prevalence and sociodemographic correlates of urinary incontinence in Japanese women: A web-based cross-sectional study, Womens Health . 2023 Jan-Dec:19:17455057231207754., doi: 10.1177/17455057231207754.