身近なマイクロプラスチック汚染


Illustrated by erimaru

先に胎盤からマイクロプラスチックが検出されたことをブログに記しましたが、近年、マイクロプラスチックによる環境汚染が広く報道されています。

英国のハルヨーク医科大学とハル大学による魚介類のマイクロプラスチック汚染の調査によると、アサリやムール貝、カキ、ホタテなど軟体動物の汚染が最高レベルとのことで、特にアジア沖のものはひどく汚染されていたとのことでした。

ほ乳瓶にも疑いの目が向けられています。2020年10月、英国トリニティ・カレッジの研究グループが、ポリプロピレン製ほ乳瓶から、中に入れた液体1リットルあたり130万〜1620万個のマイクロ、およびナノプラスチック粒子が放出されることを確認したと報告しました。プラスチック瓶内で高温の液体を振ると多量に溶け出すことから、研究グループは、調乳はガラス瓶で行うことを推奨しています。

また、英国のアングリア・ラスキン大学のダニエル・グリーン博士は、アイシャドウやネイルなどのラメ素材が川や海に流れ込むと汚染の原因になるため、化粧品は洗い流さずふき取るように言います。

マイクロプラスチックの人体への影響については、まだ詳細は不明ですが、免疫不全や発達への影響が疑われています。便利なプラスチックは生活の隅々にまで行き渡り、すべてを取り除くというのは大変困難ですが、できる範囲で対応し続けることは意味があると思います。

<参照>
■邵輝、世界で初めて胎盤からマイクロプラスチックが検出される、Dr Shawkea Official Blog、2021/1/23
■John J. Boland et.al., Microplastic release from the degradation of polypropylene feeding bottles during infant formula preparation, Published: 19 October 2020, Nature Food volume 1, pages746–754 (2020)Cite this article
■Evangelos Danopoulos et.al, Microplastic Contamination of Seafood Intended for Human Consumption: A Systematic Review and Meta-Analysis, Published:23 December 2020CID: 126002https://doi.org/10.1289/EHP7171Cited by:1
■Dannielle Senga Green et al., All that glitters is litter? Ecological impacts of conventional versus biodegradable glitter in a freshwater habitat, Journal of Hazardous Materials, Volume 402, 15 January 2021, 124070, https://doi.org/10.1016/j.jhazmat.2020.124070
■Louise Boyle, High levels of microplastics leak from baby bottles during formula prep, study finds, Independent, 20 October 2020