Photo by Gala_Didebashvili
スーパーのくだものコーナーでは、選ぶのに目移りしてしまうくらいたくさんの柑橘類が旬を迎えています。
医師のことを橘井(きっせい)と言いますが、これは仙人が家を去るときに、母に「来年の流行病の時には、庭の井戸水と橘の葉が薬になります」と伝え、言葉通りになったことが由来となっています。
今も橘は健胃や咳止め、去痰などに使われますが、昔は大きく柑橘類を指す言葉でもあったようです。
柑橘類の漢方薬でよく知られているのは、ミカンの皮を干した陳皮です。気をめぐらせる働きがあり、健胃、咳止め、痰切り、吐き気などに使われます。
昔話の『わらしべ長者』で、わらで結んだアブのお礼にもらったミカン3個を、出会った病人にあげると布三反、着物三着分に必要な生地をお礼にもらうくらいですので、昔の人はとてもよく効くと思われていたのだと思います。
ビタミンや有機酸を摂取できる柑橘類は栄養学的にも有用です。抗酸化力があって病気を予防するビタミンCの他に、ビタミンAやビタミンE、カリウム、カルシウムなどが含まれます。
国立感染症研究所の発表によると、3月10日時点でインフルエンザの患者数が4週間ぶりに増加に転じました。直近5週間ではうち77%がB型とのことで、専門家は「B型に免疫がない人が多く、(患者数は)急には減少しない」と話しています。
みなさまも病気を予防する食材をうまく使いながら、お体にお気をつけてお過ごしください。
<参照>
■「新型コロナ患者数 5週連続減少 インフルエンザは増加に転じる」、NHK、2024年3月15日