韓国には出産後の母体を回復させるために産婦さんをサポートする産後院と呼ばれる施設があります。助産師さんが24時間体制で新生児を見てくれるので、産婦さんはゆっくり体を休めることができます。からだが冷えないように部屋はあたたかく、体調や症状に合わせてマッサージや薬草パック、鍼治療を受けることができるところもあります。
韓国では産後の回復食としてしばらくの間、わかめスープを食べる習慣があります。産後院の食事でもよくわかめスープが出ますが、ナツメご飯やナツメと鶏肉のおかゆ、ナツメ茶など、ナツメも同じくらいよく使われます。
産後に限らず、気を増やし、こころをおだやかにするナツメは、女性には特におすすめの食材です。女優の小雪さんが『美の養生訓』で紹介されているように、おかゆにすると作り置きして冷凍保存できます。「ミキサーでポタージュ粥にすると、お年寄りや病中の人など弱っている人にもいいし、調味料を調整すれば赤ちゃんの離乳食にもなる」というのもよいアイデアです。また、この本で紹介されているつくり方で作ったナツメ茶は、冷蔵庫で2週間ほど保存ができるとのことですので続けやすいと思います。
ずっと健康でいられるように産後、充分に回復することは大事なことですが、頼れる人が近くにいなかったり、仕事の復帰を考えなければならなかったりとがんばりすぎている方が多いです。体が本調子ではないのに新生児を育てるのは本当に大変なことです。赤ちゃんを育てているお母さんを見かけられたら、ぜひあたたかいサポートをおねがいします。
<参照>
■小雪、『美の養生訓』、小学館