誰もが赤ちゃんの泣き声に反応する


Illustrated by うたの

あるお父さんから「ママがいない夜に赤ちゃんのお世話ができるか心配で…」と言われました。結論から言うと、大丈夫です。

オックスフォード大学の実験で、28人を対象に赤ちゃんや大人の泣き声、そして猫や犬など動物の苦しむ音を聞かせながら脳内の磁場を計測したところ、赤ちゃんの泣き声に反応して脳に初期の活動のバーストが起こり、その後、約100ミリ秒後に強い反応が続くことがわかりました。そしてこれはどの音よりも早く、強い反応でした。

反応した部位は主に中側頭回と眼窩前頭皮質と呼ばれ、共に感情処理に関わる領域で、人間の根源的な注意力に関わる脳の中でも原始的な部分です。

参加者の誰も親ではなく、赤ちゃんを世話した経験もありませんでしたが、全員が赤ちゃんの泣き声に同じように反応したことから、研究に携わったクリスティーン・パーソンズさんは「これは親であるかどうかにかかわらず、私たち全員に存在する根本的な反応かもしれません」と述べています。

この実験以外にも、成人が赤ちゃんの声に強く反応することは多くの研究で報告されており、「女性の方が赤ちゃんの声に反応しやすい」という通説に反して、聴覚領域では男女間でほとんど差が見られないことが示されています。

<参照>
■Katherine S Young et al., Evidence for a Caregiving Instinct: Rapid Differentiation of Infant from Adult Vocalizations Using Magnetoencephalography, PMID: 26656998 PMCID: PMC4737615 DOI: 10.1093/cercor/bhv306
■Alok Jha, Why crying babies are so hard to ignore, The Guardian, 17 Oct 2012

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