大黒様のお歳夜


出典:農林水産省ウェブサイト

12月9日は、作物や財福を司る大黒様のお誕生日です。山形県庄内地方では、この日を「大黒様のお歳夜」として、納豆汁、黒豆ご飯、豆腐の田楽、黒豆なますなど豆づくしのお料理で祝います。大黒様に供される御膳は、冬の養生にもおすすめです。

タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど豊富な栄養素が含まれ、「天然のサプリメント」とも呼ばれる豆類は、薬膳においても有用な食材で、種類や色による様々な効能を活用します。

薬膳では、黒い食材は生命エネルギーの源である「腎」を補うと考えます。黒豆は腎を補うことで血と陰を補い、アンチエイジングや疲労回復によいとされます。

小豆の利水作用は体内の余分な熱と毒素を取り除き、解毒します。むくみの改善には砂糖の代わりに塩で味付けした塩あんがよいです。小豆そのものの甘みが引き立ち、甘いあんとは違ったおいしさがあります。

大豆は健脾といって胃腸の働きを高め、気を補います。「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富で、アミノ酸のバランスが優れています。エストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンは更年期障害の緩和や骨粗しょう症の予防に役立つとされ、ポリフェノールやサポニンの抗酸化作用は、血管の健康をサポートします。


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大豆はしょうゆや味噌、豆腐など様々に加工されますが、とりわけユニークなのは納豆です。納豆に含まれるビタミンKは出血時に血液を固める働きがあり、抗出血薬として使われます。一方、同じく納豆に含まれるナットウキナーゼは血栓を溶かす作用があり、血液をサラサラにします。「不必要な血栓は溶かし、必要な止血作用は維持する」という一見相反する機能を持つ納豆は、とてもおもしろい食品です。

大黒様のお歳夜で供される納豆汁は、すりつぶした納豆でとろみがあるので冷めにくく、寒い日におすすめの一品です。