子宮内膜炎への東洋医学的アプローチ

 


Illustrated by とむ。

子宝のご相談において、子宮内膜炎を改善する方法を教えてほしいというご質問がありました。

しばしば子宮内膜症と子宮内膜炎を混同されている方がおられますが、子宮内膜症は子宮内膜組織が子宮以外の場所で増殖するため症状が起こります。子宮内膜炎は何らかの原因で子宮内膜に炎症が起こっており、持続的に起こっていると慢性子宮内膜炎の状態です。

受精卵を受け入れる子宮内膜に炎症が起こっている状態ですから、当然、妊娠の成立を妨げる要因のひとつとなります。

治療法には主に抗生物質とプロバイオティクスの使用があります。

東洋医学では、血流を活性化してお血を取り除くために、漢方薬の浣腸を用いることがあります。生薬では松節がよく用いられます。松節はプロスタグランジンの産生を阻害し、抗炎症と抗凝固の働きがあるので症状の改善を助けます。また、骨盤腔の血流をよくするために、ヨガ、体操、階段昇降などの運動が勧められます。


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妊娠において、東洋医学では血液循環がよくなることを重視します。子宮内膜と血流の関係は、田んぼと水の流れのようなもので、田んぼで稲を育てるには十分な灌漑を確保しなければいけません。水が不足すると稲の生育に打撃となるだけでなく、田んぼも枯れてしまいます。

中国では、子宝の準備をされている方は鉄分を積極的に摂り、血を増やすナツメや人参をよく使います。また、毎日腹部とそけい部に温灸をして、おなかの血液循環を促します。