子宮筋腫は子宮内に発生する良性腫瘍で、45歳までに10人中約7人の女性に発生します。子宮筋腫があると月経時の出血量が多くなったり、期間が長くなったりするので貧血の恐れがあります。大きくなると周囲の臓器を圧迫し、腰痛や頻尿、便秘が起こることもあります。
子宮筋腫の多くは小さく、自覚症状はほとんどありませんが、妊活中の方は注意が必要です。なぜなら、着床不全など不妊の原因になることに加え、流産、早産、胎位異常、分娩後出血などを引き起こすことがあるからです。
子宮筋腫の患者さんは、食事において次の3点に注意してください。
第一に、生ものや冷たいものを避けるようにしてください。これらは体内の気血の流れに影響を与え、子宮内の血行不良を引き起こします。
第二に、砂糖の摂取量を減らしてください。砂糖をとりすぎると、体の炎症反応が引き起こされるおそれがあります。また、子宮筋腫は過体重の女性により多くみられるという報告があることから、高脂肪食や高コレステロール食の摂取を減らして、適正体重を保つことを意識してください。
第三に、エストロゲンを含むサプリメントを避けてください。発生の原因は確定していませんが、エストロゲンとプロゲステロンの血中濃度が上昇すると、筋腫の発生が促され、妊娠中に筋腫が増大する場合があるのは、これらのホルモンの血中濃度が上昇するからではないかと考えられています。
子宮筋腫に対して用いられる薬剤には、体内でのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量を減少させることにより子宮筋腫を縮小させ、出血量を減らす効果があります。ですので、エストロゲンを含むサプリメントを用いると逆効果になってしまいます。
<参照>
■David G. Mutch, Scott W. Biest, 子宮筋腫, MSDマニュアル、2020年 12月