2018年に体外受精で生まれた子どもの数が過去最多を更新

Illustrated by 麦

2018年に国内で行われた体外受精で生まれた子どもは5万6979人で、前年に続いて過去最多を更新したことが日本産科婦人科学会のまとめでわかりました。15人に1人が体外受精で生まれたことになり、治療件数も45万4893件と過去最多でした。

この40年ほどで体外受精を取り巻く環境は大きく変わりました。一般的な認知度が上がり、政府は不妊治療をためらわせる経済的要因の解決を図っています。菅義偉首相は不妊治療への保険適用実現を表明していますし、田村憲久厚生労働相は政府が調整する不妊治療の助成制度拡充の対象について事実婚も含めて検討すること、そして助成金の所得制限について保険適用との整合性を考えて緩和を検討する考えを示しています。

体外受精で生まれた子どもは、かつては「試験管ベビー」と心ない言葉で呼ばれたこともありますが、命を授かり、育んでいくのに自然妊娠も体外受精も関係ありません。体外受精は受精卵を子宮に戻せば妊娠し、出産できるという単純な話では決してありません。病院の医師やスタッフの方々は日々、より良い方法を模索され、患者さんも期待と落胆のなか、本当に努力されています。それを知る身から言えば、本当によく生まれてきてくれたと思います。赤ちゃんとご家族のみなさまがたくさんの幸せに包まれ、お子さまが健やかに成長されるよう心からお祈りします。

<参照>
15人に1人「体外受精児」…18年、5万6979人で過去最多、読売新聞、2020年9月30日
不妊治療の助成、事実婚も検討 田村厚労相が表明、共同通信社、2020/9/29

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