こころを安定させる牡蠣


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通称『M-1』で知られる漫才コンクール、M-1グランプリをもじって2024年に第一回全国牡蠣-1グランプリが開催されました。そこでは兵庫県の牡蠣が生食部門のグランプリと準グランプリを独占し、また加熱部門でも準グランプリに入り、弊社本社がある兵庫県にはうれしい結果となりました。

世界中で牡蠣は非常に長く食されてきました。日本では縄文時代から食べられていますが、古代ローマ時代には既に養殖が行われていますし、セネガルのファディユ島は、驚くことに、住民が海に捨てた牡蠣を含む貝の貝殻が長い年月をかけて堆積してできた島です。

牡蠣は海のミルクといわれるほどグリコーゲンやタウリン、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が豊富に含まれ、生食、焼物、鍋物、揚げ物、オイル漬けなど調理方法も多彩です。

薬膳では、牡蠣はこころを安定させ、体に力をつける働きがあるとされ、疲れやすい人や不眠の人によいとされます。

生薬としては、貝殻を牡蛎(ボレイ)として使います。有名な処方に、中国の古書、『傷寒論』に記載がある柴胡加竜骨牡蛎湯があります。不安や不眠の漢方薬として保険も適応され、近年は男性更年期障害にも用いられます。

養殖技術や輸送技術の進歩で、今は1年中味わうことができますが、やはり旬のものは格別です。おいしい牡蠣であたたまり、心と体に元気をチャージしましょう。

<参照>
第1回牡蠣1-グランプリ開催報告、一般社団法人全国牡蠣協議会、2024.11.01
■セシリー・ウォン ディラン・スラス、『地球グルメ大図鑑』、日経ナショナルジオグラフィック