徳島大学病院で着床前胚異数性検査の実施が決定


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徳島大学病院で、不妊治療における着床前胚異数性検査(PGT-A)を先進医療として実施することが決定しました。

従来の着床前診断(PGD)は、重篤な遺伝病を持つ可能性のある夫婦を対象に特定の遺伝病の有無を確認するために行われます。一方、着床前胚異数性検査(PGT-A)は高齢出産、反復着床不全、流産の既往などがある夫婦を対象に、染色体の数的異常(異数性)を検出し、妊娠率を向上させるために行われます。

徳島大学病院でのPGT-Aは、2024年時点で、反復着床不全、反復流産、高年齢の女性、医師が必要と判断した場合という条件付きで、日本産科婦人科学会のガイドラインに沿って運用されます。

研究目的の臨床応用として実施されるので現時点で全国一律に受けられる検査ではないこと、保険適用外で検査費用は1胚あたり約9万円と高額であること、PGT-Aは診断ではなくスクリーニングで偽陽性・偽陰性があり得ることをふまえつつも、PGT-Aの実施によって妊娠率は約7割に向上し、流産率は1割程度に低下することが期待されています。

現時点では法的にも倫理的にも慎重に導入されている段階ですが、今後の進展が注目されます。

<参照>
「妊娠率は約7割」 徳島大学病院が「体外受精卵の検査」開始へ【徳島】、四国放送、2025年5月27日
【プレスリリース】着床前胚異数性検査の先進医療を開始〜妊娠率の向上、流産予防への効果を検証〜、徳島大学、2025年5月27日