世界屈指の病院と評されるクリーブランド・クリニックの医療哲学


Illustrated by ACworks

『Newsweek』誌によるWorld’s Best Hospitalsの常連である米国オハイオ州にあるクリーブランド・クリニックは、2025版でも全米第2位に選出されました。クリーブランド・クリニックが世界屈指の病院と評されるのは、最新の医療技術や治療法の開発において世界をリードしているだけでなく、「患者第一(Patient First)」の哲学を掲げてケアの質にも注力していることがあげられます。

近年、栄養指導や健康教育は、慢性疾患の予防や管理、治療効果の向上などに直結する科学的かつ戦略的な医療の一部とみなされています。

クリーブランド・クリニックの登録栄養士であるナンシー・ゲイブさんは、科学的根拠に基づいた栄養指導と実践的なアドバイスで患者さんをサポートすることに定評があり、クリーブランド・クリニックのホームページでも積極的に情報を発信しています。ナンシーさんの記事の中にタンポポの健康効果について述べているものがありますので、以下に要約してご紹介します。

タンポポの葉はビタミンA、C、K、葉酸、カルシウム、カリウムなどのビタミンやミネラルの優れた供給源です。おそらく、食べられる緑黄色野菜の中で最も栄養価が高く、ケールやほうれん草よりも優れています。

また、タンポポは健康問題の予防に役立つ可能性のある化合物も含んでいます。タンポポの効能をすべて証明するにはさらなる研究が必要ですが、これまでの研究で明らかになっていることもあります。

タンポポに含まれる抗酸化物質は、体内の細胞を傷つけ、老化を早めるフリーラジカルから体を守ります。

健康を維持する方法の一つは、炎症を抑えることです。実験室での研究において、タンポポに含まれる化合物が炎症を抑えることが分かっています。

タンポポはカリウムが豊富で、天然の利尿作用があります。利尿作用は血圧のコントロールによく使われます。

タンポポは、2型糖尿病をコントロールする方法として世界中で使用されてきました。研究者たちはその関連性をまだ調査中ですが、動物実験においてタンポポに含まれる化合物が糖尿病患者の血糖値を下げるのに役立つ可能性が示唆されています。

動物実験において、タンポポの根と葉の抽出物がコレステロール値を下げることが明らかになっています。

タンポポを使用する際の注意事項は、野生のタンポポを収穫する場合は、農薬などの化学物質が使用されていないことを確認した上で収穫することです。また、特定の薬を服用している場合は、相互作用を起こす可能性があるため、必ず医療提供者に相談してください。

栄養指導や健康教育は、患者さんの病気と人生を支えます。クリーブランド・クリニックでは、栄養士は治療チームの一員として重要な役割を担っており、ナンシーさんのような専門家が果たす役割は今後、さらに大きくなるでしょう。

<参照>
Can You Eat Dandelions?, Cleveland clinic, July 21, 2021
■Alexis Kayser, World’s Best Hospitals 2025, Newsweek, Published on Feb 26, 2025