Photo by Puwasit Inyavileart
「精液検査の結果がWHOの基準値以上だから、不妊の原因は男性にはない」と思われている方が少なくありません。
しかし、WHOの基準値を参照する際は、それらは平均値ではなく、1年以内にパートナーが自然妊娠した男性の精液検査データの下位5%以上を参考にしているということをふまえる必要があります。
言い換えれば、この数値に満たないと自然妊娠は難しいといえるので、クリニックによってはWHOの基準値よりも高めに設定しているところもあります。
■精液検査の基準値(2021 WHO)
精液量 1.4ml以上
精子濃度 1600万/ml以上
総精子数 3900万以上
運動率 42%以上
基準値はあくまで目安であり、それ以上だから自然妊娠が可能とも、以下だから自然妊娠が不可能ということでもありません。
ただ、WHOの基準値は自然妊娠できる最低限の値であると考えた方が妥当であり、検査結果がWHO基準値を越えているから、あとは女性側の問題だということでは決してありません。
検査結果は有用な判断材料ですが、それらに振り回されることなく、おふたりで協力して不妊治療に向き合っていただけたらと思います。