子宮を摘出せずに子宮頸がんを治療する研究


Illustrated by sana**

岡山大学の研究チームによる局所進行子宮頸がんに対する新しい治療法の研究が注目されています。

同チームはIB2期~IIB期の子宮頸がんの患者さんに対して、副作用が比較的少ない抗がん剤を組み合わせて使う治療法の安全性と効果を調べました。化学療法後に手術を行い、再発リスクが高いと考えられる患者さんには、さらに抗がん剤を追加し、効果が不十分だった場合のみ放射線治療を組み合わせました。

結果は50人のうち92%でがんが小さくなる効果が見られ、そのうち22%は顕微鏡で見てもがんが消えていたほどでした。98%の患者さんが予定通り手術を受けることができ、放射線治療が必要になったのは8%、2年後の生存率は98%、3年後でも95%以上という結果でした。

これを先行研究として、子宮を摘出せずに治療する臨床研究が開始されました。

腫瘍を抗がん剤で小さくした後に手術をするもので、腫瘍が2センチ以下になった後、子宮頚部の一部を切除します。リンパ節への転移がないか確認できたら、2年間の経過観察後から妊娠が可能で、約8割でがん治療の効果が見込まれると長尾昌二教授は言います。

再発や卵巣機能不全のリスクがあるため、治療開始前に卵子凍結や受精卵凍結が推奨されますが、これまで子宮摘出を余儀なくされていた子宮頸がんの患者さんにとっては期待が大きい研究です。今後の研究の行方に注目が集まります。

<参照>
子宮を切除することなく子宮頸がんを治す取り組み~治療終了後の妊娠が可能に~、岡山大学プレスリリース、2025年06月17日

■摘出せず子宮頸がん治療、神戸新聞、2025年8月19日