2021 糖尿病週間のテーマ「アドボカシー ~偏見にNO!~」


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11月14日の2021年世界糖尿病デーに関連して、11月8日から14日まで全国糖尿病週間として、各地で講演会やライトアップなどの啓発活動が行われます。

今年の糖尿病週間のテーマは「アドボカシー ~偏見にNO!~」です。
関西電力病院・総長の清野裕先生は「糖尿病への誤解について考えてみよう」と題する講演で、糖尿病に対するよくないイメージが患者さんの治療に影響を及ぼし、不利益になっていると言います。

2型糖尿病と診断されたら、他の人から「非難される」「差別される」「責任感がないと思われる」ことを恐れて、糖尿病と診断されたくないが故に、健康診断で疑いがあっても診察を受けずに治療が遅れるケースや、家族にも治療を隠しているケースもあるとのことです。

「生命保険に加入できない」「住宅ローンを断られる」「就職できない」という事例は深刻ですし、「間食を咎められる」「隠れ食いをする」「宴会や会合に行くのをやめる」など、患者さんは糖尿病に対する偏見にさらされることで、自身に対して否定的な感情を持ち、治療や日常生活にも影響が出ています。

そして、大切なことは、これは糖尿病に限らず、どの病気に対しても言える普遍的なテーマであるということです。

患者さんはそれだけで十分、重荷を背負っているのに、まわりがそれ以上の負荷をかけてしまっていることが往々にしてあります。

私たち医療従事者は、患者さんが病気とともに生活する環境を整えることにも貢献できるということは、今回のテーマの重要な指摘であると思います。

病気は決して単体の物ではなく、病気になるのも、治るのも、社会を含めた環境と無関係ではありません。周囲の理解は、それまでの負荷をサポートに変える、大きな力になると思います。

<参照>
【糖尿病への誤解について考えよう】Web市民公開講座 2019
日本糖尿病協会HP