前回の記事、「女性の症状を助ける阿膠」では生薬としての阿膠についてお話ししましたが、今回は美容目的で用いられる阿膠についてお話しします。
阿膠を愛用していた一番の有名人と言えば、世界三大美人の一人、楊貴妃です。中国では楊貴妃の美しさを伝える話が多くありますが、唐代の詩人である肖行澡はこのような詩を詠んでいます。
鉛華洗尽依豊盈
魚落荷葉珠難停
暗服阿膠不肯道
却説生来為君容
おしろいを洗い落とした後も、なお楊貴妃の肌はふっくらとして艶やかであった。
蓮の葉に落ちた水滴が転がっていくように、楊貴妃の肌は滑らかであった。
実は阿膠を飲んでいたのだが、楊貴妃はそのことを秘密にし、
「私は陛下のために美しく生まれてきただけです」と言っていた。
楊貴妃の美肌を保っていた阿膠は、生薬としては主に補血、止血、滋陰・潤燥の目的で使われます。昔は、阿膠は非常に高価であったため、身分の高い女性しか使うことができませんでした。
血色感やみずみずしい肌はそれだけで美しく、阿膠が美容生薬と言われるのも納得です。近年、美容における阿膠の注目度が高まり、阿膠のコラーゲンペプチドの美肌効果、角質層水分増加作用、真皮層コラーゲン合成促進作用、創傷治癒促進作用、美白作用などを示す数々の研究が報告されています。
中国の山東省産が最高級品と言われ、阿膠という名前も「東阿の地で作られた膠」からきています。山東省東阿県にある阿井という井戸から湧き出る水が最高品質の阿膠づくりに欠かせないことは古くから知られています。ここの水はミネラル分が豊富で、通常の水よりも比重が重いのが特徴です。

