【後編】東西医学の融合 石膏アスピリン湯


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前編では東西医学融合の一例としてケロリンについて話しましたが、後編ではケロリンと同じくアスピリンを用いた石膏アスピリン湯についてお話しします。

石膏アスピリン湯は中西医結合派の創始者の一人である張錫純(ちょう・しゃくじゅん)によって作られました。清末期は感染症などで多くの方が高熱で亡くなりました。アスピリンが輸入され、中国でもその強い解熱作用が注目されましたが、胃腸障害や体力低下などの問題も多発しました。

そこで、張錫純は、非常手段としての処方ではあるけれども、アスピリンと生薬の石膏を合わせて用いることを考えました。

石膏は強い清熱薬なので東洋と西洋のダブル解熱になりますが、石膏は津液を守り、口渇・煩熱を改善すると考えられています。つまり、激しい熱は体の水分(津液)を蒸発させてしまいますが、石膏は熱を強力に鎮めるので津液、すなわち体の潤いの消耗をくい止め、体を守ることができるということです。

張錫純は「中医学を根本とし、西洋医学を実用として取り入れる」という立場で、力が非常に強い西洋薬を使う時は、証を厳しく見定めて生薬で緩和・調整すると考えていました。単なる折衷ではなく、病理・証に基づいて理論的に併用し、統合医療の原型を作ったところが革新的であったとして一定の評価があります。

データがなければ非科学的だとして却下されることも少なくありませんが、近年は漢方薬や鍼灸など経験知によっていたところでもデータが蓄積されてきています。

東洋医学と西洋医学は決して対立するものではなく、人々の健康に寄与するという同じ考えを持って相互に刺激を与え、協力していけるものであると考えます。今後も皆さんの健康維持・改善に貢献できるよう東西医学融合を模索して行きたいと思います。