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「新鮮胚移植と凍結胚移植のどちらがいいですか」という質問をしばしば頂きます。
大雑把に言えば、新鮮胚移植に適しているのは、子宮内膜の厚さが適切にあり、体内環境や卵巣の回復が良好で、医師が問題ないと判断した方です。一方、治療中にホルモン値が高い方、子宮内膜を着床に適した状態に整える時間が必要な方、卵巣を休ませる必要がある方は、凍結胚移植が適します。
現在は、一般的に新鮮胚移植より凍結胚移植の方が着床率が高いとされます。
その大きな理由のひとつとして、子宮の準備ができるということがあります。ホルモンレベルが高いと着床のドアが早く閉じてしまうことがありますし、内膜が薄いと着床に影響を及ぼします。凍結することで、子宮の状態を整える時間が得られます。
また、多くの採卵をした場合、卵巣が腫れることがあります。凍結することで卵巣を休め、身体的不快感のリスクを軽減することができます。
凍結と融解を乗り越えることができる胚は丈夫ですから、着床と発育の可能性がより大きくなると言えます。
凍結が胚に悪影響を与えるのではないかと心配される方がおられますが、ガラス化法では、凍結胚の回復率は約99%です。
ガラス化法では、胚の細胞内液を凍結保護剤に置き換え、すぐに液体窒素内で保存します。使いたい時にすぐに取り出すことができる、緩慢凍結法に比べて胚へのダメージが少ないなど、数々の利点があります。