反復着床不全を引き起こす湿熱


Illustrated by MONEKO

最近、私の漢方外来において「良い卵子なのに、何度体外受精を行っても着床しない」というご相談が増えています。

良好な胚を4個以上、かつ3回以上移植しても妊娠しない場合を反復着床不全といいます。東洋医学的に、反復着床不全の方は湿熱を持つ方が多いです。体内の余分な水を湿といい、湿が詰まって炎症になると熱(湿熱)が起こります。湿熱を持つ方の特徴として、怒りやすい、脂性肌、のぼせやすくてすぐ汗をかくが体は冷えている、口や唇の乾燥などがあります。下痢や軟便、強い便のにおい、残尿感がある方もいます。

この場合、体内の余分な湿を取ることが症状の改善になります。利水作用があり、腎臓の解毒を助けるタンポポT-1エキスで体内の余分な湿を取るとよいです。


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また、反復着床不全において、生薬では、温陽利湿といって体をあたためて湿を取る働きがある松節もよいです。不妊クリニックでよく使われる漢方薬の女神散とも相性がよいです。

普段の生活で大切なのは、これから暑くなりますが、冷たい飲みものでおなかを冷やさないことです。ウォーキングや階段昇降でこまめに体を動かすのも有効です。毎日の生活から体の土台を整えていきましょう。