11月は糖尿病予防月間です。糖尿病に関連する啓発活動が全国各地で行われ、体脂肪管理への関心も高まります。方法は星の数ほどありますが、香りをかぐだけで手軽に効果が期待できると、テレビ番組でもよく取り上げられるのがグレープフルーツです。
グレープフルーツに含まれるリモネンには、交感神経を活性化する働きがあるとされ、血流が促進されて新陳代謝が高まることからむくみや冷えが改善されるとされます。また、脂肪分解酵素の分泌を促し、脂肪を燃焼しやすくなると期待されます。リモネンの香りを食事前にかぐと食欲が抑えられるという見解もあります。
米国の研究チームが発表した論文によると、91名の肥満患者をランダムに「生のグレープフルーツ半分とプラセボカプセル」「グレープフルーツジュースとプラセボカプセル」「グレープフルーツカプセルとリンゴジュース」「プラセボカプセルとリンゴジュース」のグループに分け、1日3回、毎食前に摂取させました。
12週間後の体重測定において、生のグレープフルーツ群は1.6 kg減、グレープフルーツジュース群は1.5 kg減、グレープフルーツカプセル群は1.1 kg減、プラセボ群は0.3 kg減という結果になり、生のグレープフルーツ群はプラセボ群よりも有意に多くの体重を減少させ、グレープフルーツの各群がプラセボ群と比較して有意に大きな体重減少を示しました。また、グレープフルーツ群ではプラセボ群と比較して、ブドウ糖負荷試験インスリンレベルの有意な減少も見られました。
このことから、研究チームは「体重減少のメカニズムは不明であるが、グレープフルーツを減量食に含めることは妥当であると思われる」と結論づけています。
ただ、重要な注意点として、免疫抑制剤や降圧剤を服用中にグレープフルーツやその加工品を摂取すると、副作用の発生リスクが高まるおそれがあります。人によっては合わないこともありますので、テレビやインターネットで紹介されたからと安易に飛びつくのは危険です。現在、薬を服用している方は、医師や薬剤師にご確認ください。
糖尿病の体作りで大切なことは、体脂肪を適切に減らし、筋肉量を保つことです。生活習慣を長期的に見直すサポートにいろいろな方法を試すのはよいことですが、ダイエットの基本はバランスよく適量を食べて、運動をすることであることは忘れないでください。
<参照>
■Ken Fujioka et al., The effects of grapefruit on weight and insulin resistance: relationship to the metabolic syndrome, Randomized Controlled Trial J Med Food. 2006 Spring;9(1):49-54. doi: 10.1089/jmf.2006.9.49., PMID: 16579728 DOI: 10.1089/jmf.2006.9.49

