不妊治療 保険適用拡大へ


Illustrated by milktea

22年度診療報酬改定が発表されました。
感染症対策やオンライン診療初診の恒久化、薬の処方箋が繰り返し利用可になる等が盛り込まれていますが、注目されているのは、やはり不妊治療の保険適用拡大です。

・体外受精や顕微授精に保険が適用される。ただし、子ども一人につき、治療開始時に女性が40歳未満なら6回まで、40歳以上43歳未満は3回まで。男性の年齢制限はなし。

・採卵や胚の培養、凍結保存も対象となる。

・事実婚のカップルも利用できる。

・タイミング法や人工授精には女性の年齢、回数の制限はなし。

・無精子症の男性の精巣から精子を採取する治療も対象となる。

・着床前検査は対象外。

このあたりが大きく報道されていますが、実際、いくらくらいになるのかということについて、神戸新聞から引用します。

【3割負担の場合の不妊治療の自己負担額の例】

人工受精 5460円

体外受精管理料 12600円

顕微授精管理料(卵子2~5個の場合) 20400円

胚凍結保存管理料(胚2~5個の場合) 21000円

胚移植術(凍結・融解胚の場合) 36000円

※「22年度診療報酬改定 不妊治療、男性も保険適用」、神戸新聞、2022年2月10日より引用

これ以外にも費用はかかりますが、保険適用により1カ月の自己負担に上限を設ける高額療養費制度を使えるようになるため、年収約370~770万円の世帯では、自己負担が月8万円程度になります。

不妊治療を受ける上で大きな懸念事項である経済的事由に取り組むことは重要であり、保険適用となることで一般への認知が上がり、不妊治療への理解が進むことが期待できます。

一方で、医療の質の維持や新しい治療への対応など、運用に関しては試行錯誤が続くと見込まれます。
子宝カウンセラーの会は、患者さんと医療側の両方の声を聞くことができる立場にいます。
患者さん、医療、そして社会にとって、この制度をよりよいものへと育てていくために、私たちの活動が一助になればと思います。

<参照>
■不妊治療 保険適用拡大、神戸新聞、2022年2月9日夕刊
■22年度診療報酬改定 不妊治療、男性も保険適用、神戸新聞、2022年2月10日

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