健康のお守り 梅


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「健康によい梅干を食べると難が去る」といわれ、「ナン(7)ガサル(30)」の語呂合わせと、この頃に梅の土用干が終わることから、7月30日は梅干の日とされます。

古来から梅は三毒、すなわち食物の毒、血液の毒、水の毒を断つと言われ、民間薬として頻繁に使われてきた経緯があります。

梅による治療方法はそれこそ枚挙にいとまがないくらいありますが、不調になると薬を使うのが一般的な昨今においても、1996年に病原性大腸菌O157が流行したときは梅干の売れ行きが急増しました。これは下痢などお腹の調子を崩したときは、梅肉エキスを使用する民間療法が根付いていたことと無縁ではないと思います。現代においても梅干への信頼度の高さが伺えます。


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毎年梅干を作っている知人がおり、先日、干し終わったとのことですが、梅が店頭に並ぶ期間が短かったので、あまり作れなかったと言っていました。

今年は梅が歴史的不作でした。前年比44%減とのことで、年々、猛暑による農産物への影響が大きくなっています。これまで当たり前に享受してきた自然の恵みを失うことがないよう、それぞれができることから取り組んでいかなければならないときに来ていることを実感します。

<参照>
■有岡利幸、『梅干』、法政大学出版局