【秋の養生#2】秋の養生は補陰が基本


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秋は「乾燥すると同時に台風や長雨で湿度も高い」、また「夏の暑さが残りながら朝晩は冷える」というアンバランスな状況があるので体調管理がむずかしい季節です。

東洋医学では、太陰の季節である秋の養生は「陰」、すなわち体を落ち着かせる力を補うことが重要だと考えます。陰が足りないと、気が下がるべき季節に上がってしまうため、のぼせや頭痛、ゲップなどが起こります。

陰を補うのに、秋に旬を迎える食べ物が役に立ちます。陰陽五行説では秋は肺と関係が深いので、肺の陰を補うもの(補肺陰)と、冬に備えて補腎の要素を入れるとよいです。


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肺陰を補うにはナシや柿がよいです。ナシはイライラとのどの渇きを取り、咳を止めます。中国では、皮をむいて芯を抜いたところに氷砂糖を詰めて蒸したナシは、秋の定番の一品です。
柿も肺を潤す食材で、胃熱によるのどの渇きを取り、気を下に降ろします。ただ、どちらも食べ過ぎると下痢になりますので気をつけてください。

補腎にはクリ、クルミ、カニ、エビ、アワビなどがよいです。薬膳料理で、クリは滋養強壮によく使われます。鶏肉と炒めるとおいしいです。