松で痛みを取る


Photo by miracle8

2024年は11月7日に立冬を迎えました。これから小春日和をはさみつつも、だんだんと気温が下がっていきます。

寒くなると多くなるのが痛みのご相談です。リウマチや腰痛、関節痛だけでなく、昔の傷が痛むというのもあります。

東洋医学では、体の気血水の流れが滞ると痛みを引き起こすと考えます。川が流れているときは水も澄んでいますが、川の流れが何かでせき止められていると、そこにゴミがたまり、水がよどんでいくのと同じです。

寒くなると動くのがおっくうになるので気がめぐりにくくなり、血流も悪くなり、体が冷えて痛みを引き起こしやすくなります。

このようなときにおすすめなのは松節です。これは松の木が害虫や外傷による傷を治すためにできたコブで、松の自己治癒成分を含んでいます。「温陽活血」といって、体をあたためて血のめぐりをよくする働きがあり、抗炎症作用もあるので、漢方では関節痛や鎮痛に使われます。

中国は清代の乾隆帝には、晩年になっても仲のよい妃がいました。ある日、乾隆帝が妃に「なぜ老いても元気に過ごせるのか。なにか秘訣があるのか」と尋ねたところ、妃は息子を亡くした時に僧から贈られた松の盆栽の話をしたそうです。「毎日、盆栽を手入れし、その松葉で茶を飲み、樹皮は枕に入れたり菓子の材料にし、関節が痛むと松節を飲みます」と言う妃に、乾隆帝は感心したと言われます。

寒くなると痛みがぶり返すという方は、ぜひ一度、松節をお試しください。