生薬としてのアサガオ

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夏の風物詩のひとつ、入谷の朝顔まつりが7月6日から開催されます。
コロナ禍を経て4年ぶりの開催ということで、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

花の美しさから現在は観賞用とされることがほとんどですが、アサガオが中国から伝わったときは薬として用いられていました。


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漢方ではアサガオの種を牽牛子(ケンゴシ)といい、下剤として用います。
少量を便秘改善に用いたり、寄生虫を下すために多量を用いることもあります。
また、虫刺されにアサガオの葉をもんで出る汁をつけるという方法もあります。

ただ、牽牛子は『薬経太素』に妊婦さんが用いてはいけない薬として掲載されているように、作用が激しいので、生薬の知識がない方の使用は決しておすすめしません。
身近な植物で、民間療法だからといって侮ってはいけません。

古くから多くの和歌に詠まれ、観賞用や紋様として親しまれてきたアサガオは、日本の夏には欠かせないモチーフです。

朝、少し早く起きて、季節の花を楽しみましょう。

<参照>
■小林正夫、『四季の薬草利用』、農山漁村文化協会